漫画『岸辺露伴は動かない』1巻の1話に当たるエピソード16の懺悔室のネタバレについてまとめました。
『岸辺露伴は動かない』は荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険 第四部 ダイヤモンドは砕けない』に登場する、
M県S市杜王町で生活する天才漫画家・岸辺露伴(きしべろはん)の活躍を描いたスピンオフ作品です。
露伴は「リアリティ」のある作品を描くために、あらゆる場所へ取材します。
そこで奇妙な事件に巻き込まれる彼。
そして、謎を解明するまでの過程を描いたお話です。
【ちなみにご存じかと思いますが岸辺露伴とは…】
岸辺露伴(読み:きしべろはん)は杜王町を拠点に活動する漫画家であり、スタンド使いです。
彼は虹村形兆の放った「スタンドの矢」によって、【ヘブンズ・ドアー】という相手の記憶を読み取ったり、奪ったり、書き換えたりする能力を身に付けました。
漫画家としても若くして、『ピンクダークの少年』をヒットさせるなど、実力のある人物であります。
性格は変人でエゴイスト。リアリティのある作品を生み出すために、蜘蛛を舐めたり、人の記憶を勝手に奪ったりする男です。
【漫画】岸辺露伴は動かないエピソード16 懺悔室|ネタバレ込みのあらすじ
岸辺露伴は執筆中断中に、イタリアのヴェネチアに8日間取材旅行へ向かいます。
イタリアのある教会に存在する「懺悔室」
で彼はある恐ろしい体験を見聞きするのでした。
露伴は取材のため、教会の懺悔室に入るのですが、彼は懺悔を聞く神父と勘違いされて、ある罪人からの告白を聞くことになりました。
その男は24歳のとき、トウモロコシの食品市場に勤めていました。
夕方まで残業をして作業をしていた彼の前に、不気味な浮浪者の男が現れました。
浮浪者は食料をねだり、働いていた男にせがみますが、男は腹をたててしまったので浮浪者の要求を断りました。
しつこく食料を求める浮浪者。
男は浮浪者にトウモロコシ袋を運ぶよう指示して、いじめました。
ですが、浮浪者は袋を落とした事故で亡くなってしまいます。
その光景に対して、男は浮浪者に対して怒りますが彼の足元を何者かが掴んでいました。
その正体はさっきの浮浪者の幽霊で、男に対して「幸せの絶頂期」にふたたび現れると恨めしそうに言い残します。
そのあと、男の人生は奇妙なほど好転。
遠い親戚の遺産を入手したり、サッカーの宝くじが当選するなど、彼はリッチになります。
そして、彼はトウモロコシを使ったコーンフレークで成功するなどセレブになりました。
ある時、男は娘と遊んでいるときに、「なんて私は幸せなんだろう」と思ってしまいます。
その瞬間、娘に浮浪者の幽霊が憑依して、ある賭けを男に対して行います。
袋に入った「ポップコーン」を近くにあったランプよりも3回連続で高く投げられ、さらに落下するポップコーンを口に入れられたら浮浪者の幽霊は復讐を諦めると言います。
突然始まる賭け。
1回目はなんとかギリギリで成功します。
そして2回目の勝負。
男は太陽が眩しいと言い訳をしますが、幽霊は認めませんでした。
そして、男はポップコーンをふたたび投げます。
恐ろしいことに、二匹のハトがポップコーンを狙ってきたのです。
しかし、袋に入っていた他のポップコーンをバラ撒いたことにより、ハトを欺いてピンチを乗り越えます。
男は2発目も無事にキャッチします。
ラストのチャレンジ。
男はポップコーンを投げますが、周囲にはハトの群れが、先程バラ撒いたポップコーンのせいで、集まっていたのです。
男は機転を利かせて、ポップコーンに火を付けてハトが食べれられないようにします。
しかし、火をつけたことによって、燃えたポップコーンの煙と太陽の光が溶け込んで、見えなくなってしまいました。
そして、彼はポップコーンを落としてしまい、3連続チャレンジを失敗してしまったのです。
浮浪者の幽霊によりある「審判」が下ります。
彼は首を切断されてしまいました。
ここで時系列が現在の「告白」場面に戻ります。
露伴は衝撃的な光景を目撃します。
なんとさっきの男はかつての浮浪者のように誰かに呪いをかけているのでした。
そして男は自分の首を持ちながら、ある人物に呪いをかけようとしていたのでした。
しかし、ここである矛盾が応じます。
なぜ、男はこの体験を告白できたのか?
実は・・・
富豪になった男は彼の召し使いに
自分そっくりに整形手術させており、代わりに召し使いが呪いを被っていたのでした。
その召し使いは幽霊となり、本物の男の前に現れたのでした。
そして、幽霊のそばにはかつて自分を呪った浮浪者までもが彼を見つめていたのです。
このあと男がどうなったのかは不明であるそうです。。
【漫画】岸辺露伴は動かないエピソード16 懺悔室|感想
1997年に発行された、記念すべき『岸辺露伴は動かないシリーズ』の第一作にして、いきなりホラーテイストのお話でした。
もともと原作者の荒木飛呂彦先生が大のホラー映画ファンであり、このあと続くお話もほとんどがホラーです。
今回はあまり岸辺露伴が活躍をしないのが印象的でしたね。
取り憑かれた男をヘブンズ・ドアーで読み取るのかと思いきや、全く読み取ろうとしないのが、
今までのジョジョとは違った「スゴ味」があるなぁ~
と読んで思いました!
荒木先生の短編作品はミステリアスで先の読めない展開や狂言回しのような独特のセリフがこれでもかと散りばめられています。
個人的に一番ゾッとしたのは、
実は富豪となった男は整形を誰かにさせており、その呪いを代わりに召し使いがうけていたという事実です。
展開も衝撃的ですが、欲望に取り憑かれた男もある意味なにかもっと恐ろしいものに憑依されていたのかもしれません。